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介護、準備してる?~看る力~

monkey01です。

 

高齢社会の日本で、身近に高齢化を感じることとしたら「親の看護」問題です。

他にもれず私もいずれかは親の面倒を見なくてはいけないと考えています。

少しでも勉強するために今回は、阿川佐和子さんが著した本を読みました。

 

 

看る力 アガワ流介護入門 (文春新書)

看る力 アガワ流介護入門 (文春新書)

 

 

介護に関する法律や制度など、具体的なノウハウ本は多く、最初に手をとる本としてはそうした類がベストですが、まずは実際介護をしている経験者の話から入ろうと考え、ご両親の介護をしている阿川さんの本に興味をもった次第です。

作家、エッセイスト、キャスター、さらには女優として幅広いジャンルで活躍している阿川佐和子さんですが、父・弘之氏の最晩年に病院に付き添い、いまも認知症のはじまった母の介護を続けるなど、実は介護経験も豊富です。そんな阿川さんが、高齢者医療の第一人者である大塚宣夫よみうりランド慶友病院会長と、理想の介護法、理想の老後を語り合います。
阿川さんの体験的介護法は、実に説得力があります。

 

 本書で興味をもった点を以下3つの視点からメモします。

(1)介護する側のスタンス

(2)介護される側のスタンス

(3)共通のスタンス

 

(1)介護する側のスタンス

「まず、バカにされない、叱責されない、とがめられないという安心感を与えることが大事。これは、認知症の対処法の基本です。」

実家に帰ると、親の行動にイライラすることが多々あります。まだ認知症ではないものの、こちらが話をしているのにいきなり違う話をしてくるものだから、こちらは????で、会話が途切れてしまうなどなど。今でさえこんな状態だから、実際に親が認知症になってしまったら、イライラが倍以上になってしまうんじゃないだろうか、心配です。

これは自分のメンタル管理能力の向上ということで、仕事での人間関係にも役立つでしょうから、今後の課題となります。共著者の大塚さんによれば、時には相手の言ったことをオウム返しする(繰り返す)のも効果的とのことでした。

あとは介護って長期戦になる可能性も高いので、完璧を目指さずに適度に息抜きをするということも、介護する側としては覚えておきたい考えでした。

 

 

(2)介護される側のスタンス

「たとえ身内に対しても、食事の世話はいくら、入浴の手伝いはいくらと自分で相場を決めて、その都度こまめに払うこと。」

子どもからすると、どうしても介護って自己犠牲・ボランティアの面が強いです。そこに更に認知症の親からあーだこーだ小言やイライラする言動をされれば、どうしたって不満が爆発しますよね。そこに金銭を関わらせることで、子どもにとってはちょっとしたモチベーションにつながりますし、親にしても後ろめたさが軽減されるのではないでしょうか。

 

 

(3)共通のスタンス

「単なる介護に加えて、どんな状態になっても『豊かに過ごせるような生活環境を整えること』が大事」

病院を経営する大塚さんによれば、当初は患者を朝起こす、歩かせるといったことをしていたのですが、ある日「起きてどうするの」と言われて上記のような考えに至ったそうです。なぜ起きるのか、なぜ歩くのかといった目的、大きくいえば生きがいが高齢になっても必要なんだろうなと感じました。

 

「(老人施設や病院の選び方について)いちばんいいのは、そこで働いている人の表情を見ることです。立ち居振る舞いなども含めて。」

これは就活生が企業を選ぶ視点と同じだなと思いました。

 

「(老人施設等に)もし入るなら、2~3年かけて短期間の入所を繰り返し、よく無いようを見極めてからでも遅くない。いっぽうで、最後に転がり込むところはちゃんと決めておく。・・・ただし、そこに入る時期は、できるだけ先延ばしするように。自分でもてるものをすべて駆使して、そこに入らないように頑張る。・・・死ぬ場所はここと決めておけば、人間は不安から解放されるもの。そうするとポジティブに生きられます。」

 この考えは自分にとって新鮮でした。いきなり終の棲家を探すのではなく、短期間入所からのスタートとし、かつ最後の施設も決めておくというのは、長期的に見て確かに安心できますよね。